【第2回坊っちゃん学習】

【第2回坊っちゃん学習】

日時:平成28年9月15日(木) 10:30~11:30
場所:石井東小学校 北校舎3階 多目的室
演題:「食の力で本番に強い“身体”と“心”をつくる!」
講師:スポーツニュートリションМ代表 大田 美香 先生

今回の坊っちゃん学習は松山大学女子駅伝部の栄養コーチでもある、公認スポーツ栄養士の大田美香先生を講師に迎えて、勉強でも運動でも本番で力が発揮できる秘策と「はだか麦ラッシー」の試飲を行いました。
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まず初めに「10秒間でこの絵を覚えてください。」とクイズからスタートしました。
dsc06239 10秒カウントした後、「それでは問題です。コンパスがあったと思います。そのコンパスに付いていた鉛筆の色は何色だっだでしょうか?」
答えは緑色でした。
このような問題は自己管理能力の高いお子さん、経営者の方などは正解率が高いということです。私たち大人と違う部分「成長期」はタイミングが大事とのことです。そのタイミングの時期に適切な栄養素を取り入れることで後々良かったという結果に繋がるというお話をしてくださいました。

『成長のタイミングにそのとき必要な栄養素をきっちり摂る』
dsc06248・0~3歳
 腸の状態が良ければ、脳内に「セロトニン」という物質もよく分泌され心も穏やかになれるそうです。免疫力を上げるのも腸の状態を良くして母乳や離乳食を工夫し、3歳までに腸内環境を整えることが大切でだそうです。
腸内細菌においては、ミルクよりも母乳の方が良いそうで、離乳食も腸を作る上で大切な要素だそうです。

・4~7歳
 今の子供は回転寿司などの影響もあってか、生ものの解禁が早いそうで、日本は衛生環境が良いので大丈夫だそうですが、本来ならば7歳くらいから解禁した方が良いそうです。

・8~10歳
 昔は「三角食べ」となどと言いましたが、この時期は色んな味を学習する時期なので、ご飯だけではなく、ご飯とみそ汁が合わさった味、みそ汁とおかずの交わった味を感じていろいろな味を感じてほしいとのことでした。

 漢字の「千」の「口」と書いて、「舌」と書きますが、10歳まで千種類の味を舌に乗せてあげるくらい、いろいろな味覚の形成をしてあげた方が良いとのことでした。10歳くらいまでに味覚の形成はほぼ出来上がるそうです。

そして腎臓の機能はあまり塩分が多かったり、添加物の多い食事を摂ると腎機能に負担がかかってくるのでなるべく控えた方が良いとのことでした。

『身長が伸びるタイミング』
dsc06249 我が子を例にあげて、すごく小さかったお子さんだったそうですが、10歳から14歳の身長の伸びるタイミングにかけてみようと思い、その時期にすごく食べさせたそうです。その結果、かなり身長も伸びたそうで、今、身長が低くて悩んでるお母さん方も身長が伸びるタイミングの時期にしっかりと栄養価の高いものを沢山食べさせてあげると成長につながる、期待が持てるということだそうです。遺伝も関係ありますが、食の力もかなりあるので、是非諦めずにトライして欲しいとのことでした。

『身長が伸びるメカニズム』
dsc06250 寝てる間に成長ホルモンが出るといわれています。一般的に22時から午前2時の間と言われていますが、寝はじめて2時間後が一番成長ホルモンが出る時間だそうです。なので、寝はじめてから2時間後に熟睡させてあげると、しっかり成長ホルモンが出るということになります。
しかし、成長ホルモンが出るだけではダメで肝臓に届き「ソマトメジンC」という物質(=身体を作れという指令)を分泌させないと骨の成長には繋がらないそうです。
ソマトメジンCを分泌させるには、元気な肝臓が必要で、疲労が溜まっていたり、添加物の多い食べ物などを摂り過ぎると肝臓にダメージがあり良くないそうなので気をつけたいところですね。
なので、夜の食事に際にカルシウムの多いもの、牛乳やヨーグルトを摂ると良いそうです。牛乳やヨーグルトは朝摂りがちですが、夜に摂取して身長の伸びる成長期のタイミングにあわせると効果があるそうです。

『9~12歳 ゴールデンエイジ』
何をさせても何でもできる時期だそうです。

『5~8歳 プレ・ゴールデンエイジ』
この時期も何をさせても何でもできるのですが、集中力がないので一つの競技ではなく、身体全体を使う運動が得意な時期だそうです。いろんな事を総合的にやっているお子さんの方が体力もあり、故障もしにくいそうです。学校の体育の授業をしっかりとうけていれば大丈夫とのことでした。また、持久力・筋力というのはまだまだ先のことなので、多少小学校のマラソン大会で成績が悪くても、その後持久力が育つタイミングの時期に対応したので十分良いそうです。

『自分たちの食べたもので自分たちの体は出来ている。』
食べることが大好きな子供は何に対しても意欲的に取り組めるそうです。

ここで問題です。人が一年間に食べる量はどのくらいになるでしょう?
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答えは1トンだそうです。
一般の大人の飲食量で、飲み物も合わせて一回の食事に約1キロ。すごい量です。だから、何も考えない1トンか、栄養のバランス・身体のことを考えての1トンかでは身体に大きく関わってきます。食事がすべてだとは思いませんが、特に成長している子供にとって新陳代謝も活発なので、将来に向けての身体づくりとしても大きく変わってくるのではないかと思います。今一度、食事の内容を考えてみたいと思いました。

『食事のバランスのとり方』
朝食を思い浮かべながら考え、色分け・組み合わせが大事とのことでした。
dsc06257 パンとご飯ではご飯の方が水分が摂れます。子供は案外、思ってる以上に水分を摂らないそうで、運動会練習で疲れてるときとか、少し眠たそうだなと思ったときは身体の水分が足りないのかも?と考えても良いそうです。

・主菜
身体の調子を整える。風邪をひかない。便秘にならない。
運動している子はプラス果物と乳製品を毎食摂るとさらに身体に良い。
故障もしにくく、十分なエネルギー量が摂れる。

・牛乳や乳製品・調味料・発酵食品・味噌など
毎日摂る製品はなるべく違うメーカーのものを選ぶと良いそうです。
すべて商品がそれぞれ栄養成分もマチマチですし、いろいろな成分が身体に入るので良いそうです。同じものばかりが身体に入らなければ悪影響も受けにくいという意味でも栄養の面もそうですが、消費者の面でも知識として入れておくと良いそうです。

・豆乳・牛乳
豆乳と甘酒を合わせた飲み物は栄養価が高く飲みやすいのでお勧めしているそうです。
はだか麦ラッシーも子供も好きな味だと思いますので、ご飯が食べにくそうなときにも是非勧めてあげてくたさい。

朝の時間は忙しいですよね。
食事を完璧にそろえたとしても、時間もなく、子供たちも食べないから・・・
それを言ってしまうとおしまいです。いろんな可能性があるのにそう言ってしまうとすべての可能性が終わってしまう。
ここはやったもん勝ち!!是非子供の将来を考えてたくさん摂らなくても、少しでも食べると微量栄養素として身体に蓄積されるので量を多く摂る必要はない。量ではなく、いろいろなものを少しずつでも体に入れてあげること、組み合わせが大事だということでした。

・日本人にあったもの 雑穀米・玄米は小学生には向きません。

・ネバネバ系のもの 腸が安定し、腸をつくります。

・みそ汁
私達日本人にとって、腸を整えるのにとても良い食事だそうです。大事なのはだし汁を取ること。だし汁というのは日本人の遺伝子・細胞にとても良いそうで旨み成分、千の口をつくる舌へ味覚を養うという意味でも是非是非だし汁を取っていただきたいとのことでした。

『強い胃袋をつくる 吸収できる腸をつくる』
本番に強い子は胃腸も強いそうで、本当は凄く力があるにの本番になってお腹の調子が悪くなったり、いつもよりご飯が食べられなかったりして力が発揮できないという子供は意外と多いそうです。勿体無い話ですよね。小学生のうちにしっかりと食べる力・栄養素を吸収できる腸・毎日しっかりと食べる訓練を今のうちにしておいた方が良いそうです。

朝きちんと排便があるか、ぐっすり眠れているかどうかで、夜しっかりと食べれているかの判断・胃袋や腸がしっかり作られているかの判断が出来るそうです。
運動会も近いですし、運動も勉強も可能性を高めていかなければならない、頑張らないといけない時期なのでしっかりと見てあげてください。

ここで3択クイズ!
今から運動する!これから勉強する!という時に一番摂りたい栄養素は何でしょう?
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答えは実は糖質なんです。
糖質不足になると脳もうまく働かない。
脳にしっかり糖質が入っていないと集中力も欠けます。
そして、そのときに食べ物ばかりを見てはいけない。
いつも見るのは子供。
 親はバランスの良い食事を出すだけで満足するのではなく、その食事を子供がどのように食べているか?食べにくそうかな?足りてないのかな?と子供の様子を見ることの方が大事なんだそうです。親を見ると伸びる子はわかる。いろいろと言うよりかは黙って見守り、子供をよく観察している親の子供は伸びるとお話してくれました。

ここで、リオデジャネイロオリンピックで陸上女子3000メートル障害の高見沢安珠(松山大)選手に同行した時の話があり、水泳の萩野公介選手やテニスの錦織圭選手の食事例をあげて、回復力が並外れて素晴らしかった話や疲労回復がすぐできるような体質づくりの食事、エネルギーを蓄えて栄養補給をするタイミングなどの話をして頂きました。

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『タイミングが大事』
ここでクイズです。練習前に食べるならどちらを選ぶ?ツナマヨ?梅?
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答えは梅です。できるだけ脂分を身体に入れない方が良いそうです。
食べ物が身体に入ると、そこに血液が集中し、負担になります。なので出来るだけ消化の良いシンプルなものを選び、全身に血液がめぐっていくものが良いので、シンプルな梅やおこわを選ぶ方が体は動きやすいそうです。
逆に練習後は糖質とたんぱく質が一緒になったもの、脂が一緒に合わさったものを選ぶと疲労回復の助けになるそうです。運動することによって、筋肉に傷がつくようなイメージでそれを修復させるには休めてもダメで食べるもので筋肉を修復させるイメージだそうです。
食べたもので身体を作る。簡単なものであれば、バナナで糖質。オレンジジュースや牛乳など糖質・タンパク質で素早く身体を回復させてあげると良いそうです。

またまたクイズです。試合の前日にはどんな夕食?
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正解は親子丼です。
試合の前日に油を多く摂ると胃腸が回復しにくい。油や食物繊維はなるべく控え目に。
糖質中心に、適度なたんぱく質を。親子丼や炊き込みご飯、鍋なんかも良いそうです。トンカツよりは豚しゃぶ。煮魚など寝ている間にエネルギーが身体の中で蓄えられて、翌日楽に力を発揮できるそうです。意外とカレーやシチューのルーは脂で固めてあるので脂分を多く摂ってしまいます。
試合の当日は3時間くらい前にいつもの量より少な目で、8割程度にしておくと良いそうです。あとは適度なエネルギー補給をすること。ご飯かパンかで言うと、本人が食べやすい方でどちらでも良いそうです。
試合当日のお弁当は一口おにぎりや小さいバナナやゼリーなどのシンプルなお弁当を心がけると良いそうです。先生はうどんは食べやすく、お勧めだそうです。

その他にはインスタントラーメンに何をプラスしますか?という問いから栄養だけでなく、見た目で心も育み、最後は心も強く、同時に心も育み、自己管理力が大事だということをお話していただきました。

最後にはだか麦ラッシーを作り、試飲しました。
dsc06282 はだか麦ラッシーとは、裸麦(はったい粉)・牛乳・プレーンヨーグルトを混ぜたもので
とても懐かしいような味がしました。美味しかったです。

dsc06291 エネルギーにもなりますし、運動会練習の疲労回復に、熱中症・故障予防に是非子供たちと一緒にご自宅でも作ってみてはいかがでしょうか?
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dsc06317 最後に家庭教育部より挨拶があり、先生に聞きたいことを質問をして会は終わりました。
今一度、食について考える良い機会になったと思います。
太田先生、大変参考になるお話をありがとうごさいました。